【田中の眼】中山記念

NEW2021.02.27 更新
■2月28日(日)
中山競馬場 芝1800m 別定
中山記念(GII)



■1枠1番トーセンスーリヤ
厩舎:小野次郎(美)
騎手:横山和生
馬主:島川隆哉
生産:(有)エスティファーム

走りたがり屋ということもあり調教直結型。全快で動かすことでガスを抜くという目的もあるからこそだが、とにかく調教で速い時計が出る=好状態とみて、まず間違いない。ただ残念ながら今回はこれが使いにくい。なぜなら、これまでのようにDWコースオンリーでバリバリと調整を積んできていないから。この中間は爪に不安を抱えていたこともあり坂路併用と今までにないパターンでの調整となっているため、どうも時計だけでは判断しきれないのだ。いやいや、2週前にDWコースで5F65秒台の時計が出ているではないかと思った方もいるかもしれない。だが同馬は美浦屈指のウッドマスター、これぐらいの時計は朝飯前。むしろ、この後に更に速い時計が出せるかどうかが、これまでの判断基準。やはり今回は数字だけに頼れない。となれば、オーソドックスに紐解くしかなかろう。前述した2週前で早々にスイッチオンも悪癖である力む姿はその後に全く見せず。1週前の動きにもメリハリが利いていたし、直前の坂路でもスッと折り合い、いざ追い出せばパワフルな走りと文句なしの動きを披露。それこそ直前をDWコースで行っていれば5F64秒を切っていたのでは。仕上がりは上々。舞台設定も合いそうで注意が必要。


■5枠7番バビット
厩舎:浜田多実雄(栗)
騎手:内田博幸
馬主:宮田直也
生産:大北牧場

ここ2戦が見事なまでの大惨敗となってしまったが、敗因は明白である。あのバテバテになっての入線を見ての通り、この馬には3000メートルも2500メートルも距離が長すぎるということ。そもそもが負担の大きい戦法の使い手でもある。現状のストロングスタイルとも言うべき戦い方を貫くのであれば、やはり押し切れる距離へと舞台を替える必要があろう。そういう意味では、今回の重賞圧勝という実績のある1800メートルへの起用というのは非常に的を射ている。では復帰戦の臨戦過程を見ていこう。疲れを完全に癒して2月初頭に帰厩して乗り込み本数は3本のみ。少ないと言えば少ないが、元々が前向きな気性の無駄肉の付かないタイプ。実際に3走前のセントライト記念時も中間全体の強度としては今回と然して変わなかったことを思えば、ここを不安視する必要はあるまい。ビッシリ追った1週前には坂路で4F52秒5の自己ベストをマークとスピードの質も問題なく戻っているよう。となれば直前はいつものように、サッと流してお釣りを残してのフィニッシュで十分。ボリュームアップした体付きで真一文字に登坂と相変わらずのヤル気満々な姿に一安心。デキに不安なし。適距離なら3、4走前の再現も十分とみる。


■5枠8番ヒシイグアス
厩舎:堀宣行(美)
騎手:松山弘平
馬主:阿部雅英
生産:ノーザンファーム

陣営が言うには、緩めると心身共に元の戦える状態まで戻すのに非常に時間のかかる馬らしい。この辺りが感覚の違いのように思う。簡単な話が堀厩舎のやり方と外厩のやり方が違うということ。外厩の調整法だと同馬にとっては負担が大きい、故に帰厩後にスムーズに積み込めない。おそらく大まかには、このようなことが起きていたのでは。ひ弱いだけに少々のことでも大事となってしまうというのもあろう。だからこそ、この中間は在厩調整。外厩に任せることなく、ずっと手元に置いて調整してきた。約半月かけて疲労を抜き、1月末より調整スタート。そこから週2本ペースを維持して5週で10本と調整は順調そのもの。4週前には早くも5F68秒台の併せ馬と負荷をかけられるのだからシッカリとしてきたもの。かつては中間に負荷らしい負荷のかかった調教など本負荷の1週前ぐらいのものだった。その他は5F70秒前後のソロッとしたものばかり。だが、ここにきて中間で3本はDWコースで5F68秒以上の強度の高い調教をこなせるように。空回りしていた負けん気の強さも、集中力が増し身体もできてきている今なら頼もしいものでしかなくなった。いよいよ心身共に充実してきた感。これなら4連勝しても不思議なし。


■6枠9番サンアップルトン
厩舎:中野栄治(美)
騎手:柴田善臣
馬主:(株)加藤ステーブル
生産:(株)ケイズ

元々がムラのあるタイプである。癖を知り尽くした相棒とも言うべき柴田善騎手と出会ってから、レースでこそ以前のように露骨には見せなくなってきているものの、根本的なものは変わっていないよう。簡単な話が気分屋なのだ。気持ち良く走れていれば調教でもレースでも思っている以上に踏ん張って良いパフォーマンスを見せてくれる。だが、そうでない時が厄介。気分が乗っていないと頭を上げて自らブレーキをかけたりと嫌気を出していることを隠そうともしない。そして後者の挙動を、この中間は見せていたのである。おそらく原因は前走の田んぼのような極悪馬場。あれで気持ちが萎えてしまい、それをそのまま引きずってきたのだろう。1週前の坂路などは追いつこうともせずボケッと登坂する始末。さすがに、これではまずいと陣営も感じたか、21日の日曜にDWコースで急遽3頭併せの真ん中に入れての闘魂注入。刺激を与えてきた。すると直前では先週とは打って変わって僚馬に抜かせずファイトして見せるのだから面白いもの。3頭併せの真ん中に入れるというのは、シンプルなようで非常に効果が高いということか。何はともあれ、事なきを得たよう。絶好調とはいかないものの、2走前のデキにはあり。軽視禁物。


■8枠13番ウインイクシード
厩舎:鈴木伸尋(美)
騎手:横山武史
馬主:(株)ウイン
生産:コスモヴューファーム

今回の一番のポイントは中7週とレース間が空いてしまったことだろう。というのも同馬はズル賢いタイプ、調教だけではスイッチの入り切らないところがあるのだ。その点をどう補ってくるか、鈴木伸厩舎の腕の見せ所と言えよう。とは言ったものの、そこまで画期的なことを求めるのも無茶振りでしかない。仮にそんなことができるのであれば、この厩舎の馬質であれば、とっくの昔にブレイクしている。なので、あくまで冷ややかに今回の調整過程を精査していくこととする。乗り込みとしては3週で5本、初動で3頭併せの実戦形式をこなさせているように、そこまで緩んでの帰厩ではなかったよう。その後も併せ馬中心に順調に乗り込めているように体調に関しては何事もなく整っていよう。だからこそだが、1週前に直前と調教駆けするOP馬デアフルーグを相手に目一杯に併せることで走る気を促すという最低限の工夫も施すことができた。それでも直前ではデアフルーグの脚色が鈍ると同時に気を抜くという相変わらずの悪癖を見せてしまったが、その後に追われると再加速できた辺りが、いつもの久々時よりは走る気があるという証か。

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